レザークラフトで作品を完成させた後、「あの作品に使った糸の色番号は何番だったか」「この金具のサイズは30mmだったか35mmだったか」と思い出せなくなった経験はありませんか? 製作に集中していると、ついつい副資材の詳細な仕様記録は後回しになりがちです。
前回の革素材、何枚持ってる?では革素材の管理について触れましたが、今回は糸・金具・染料といった「副資材」の在庫管理と、その情報を迷子にしないための項目設計について、管理アプリ開発者の視点から解説します。プロジェクト全体の記録項目はレザークラフトのプロジェクト管理、何をどう記録する?もあわせてご覧ください。
この記事で分かること
- 副資材(糸・金具・染料)ごとに残しておくべき具体的な記録項目
- 副資材の在庫をデータ化することで得られる実務上のメリット
- 自分に合った記録ツール(紙・スプレッドシート・アプリ)の選び方
副資材ごとに記録しておきたい項目一覧
効率的な製作と在庫把握のために、以下の項目を整理して記録することをおすすめします。
1. 糸(Thread)
- 種類: ビニモ、エスコード、ロウビキ糸など、素材や用途の分類。
- 太さ: 番手(#5、#8など)やmm単位での太さ。
- 色・色番号: メーカー固有の色番号。これが欠けると、同じ色での再現が困難になります。
2. 金具(Hardware)
- 種類: バックル、ナスカン、カシメ、ホックなどの品目。
- サイズ: 幅や内径、足の長さなどの寸法データ。
- 素材・仕上げ: 真鍮、ニッケル、アンティークメッキなどの仕様。
3. 染料(Dye)
- 色: 具体的なカラー名。
- 仕上げのタイプ: 水性、油性、アルコール染料などの性質、または芯通しか表面のみかといった仕上げの分類。
4. 共通項目(共通の管理情報)
- 在庫数量: 「残り何m」「残り何セット」といった現在のストック量。
- 単価: 購入時の価格。正確な原価計算に不可欠です。原価の記録項目はレザークラフトの製作原価、どう記録する?で詳しく解説しています。
- 購入元: どこの販売店やサイトで購入したかの記録。
記録するメリット
副資材の情報をデータとして蓄積することには、以下の3つの大きなメリットがあります。
- 色番号を迷わず再現できる: 過去のプロジェクトに紐付いた糸や染料のデータを参照することで、後から修理依頼が来た際や、同じ仕様の作品を再度作る際に、全く同じ色味を再現できます。
- 重複購入の防止: 出先でもスマートフォンなどで在庫を確認できれば、「家にあるかもしれない金具」を念のために買ってしまうといった無駄を省けます。
- 原価計算の精度向上: 金具一つ、糸1mあたりの単価を記録しておくことで、作品一つを仕上げるのにかかった「真のコスト」を正確に把握できるようになります。
記録が続かない原因と対策
記録を習慣化する上での最大の壁は「入力の手間」です。
- 原因: 製作中に手を止めてノートに書くのが面倒、または色番号のタグを捨ててしまい後から調べ直すのが大変、といった状況が考えられます。
- 対策:
- 購入した瞬間に記録する: 素材が届いたタイミングで、袋を捨てる前に写真を撮り、基本情報を入力するルーチンを作ります。
- 項目を絞る: すべてを完璧に記録しようとせず、自分にとって「後で困る項目(色番号やサイズ)」に絞って入力を始めるのがコツです。
紙・スプレッドシート・アプリでの記録の違い
それぞれのツールには、記録・検索・継続の観点で異なる特徴があります。
| 比較軸 | 紙ノート | スプレッドシート | アプリ(専用ツール) |
|---|---|---|---|
| 記録のしやすさ | 手書きの自由度は高いが、在庫数の書き換えや写真管理が大変。 | PC入力は早いが、製作中のスマホ入力はセル操作が煩雑になりがち。 | スマホで写真を撮って項目を埋めるだけ。テンプレート化されているため入力がスムーズ。 |
| 検索・見返し | パラパラと俯瞰できるが、特定の色番号やサイズを瞬時に探すのは困難。 | フィルタリング機能は強力だが、画像データが増えると動作が重くなる傾向がある。 | 「金具のみ」「青系の糸」といった絞り込みが容易。プロジェクトとの紐付けも迅速。 |
| 継続のしやすさ | 物理的な場所を取る。履歴が増えると整理が追いつかなくなる。 | 自分で表を設計する初期コストがかかる。 | 少ないタップ数で完結し、在庫の自動減算などの機能で手間を軽減できる。 |
アプリでの副資材管理:HideLog
これらの副資材管理をよりシンプルに行うための手段として、HideLogというレザークラフト専用の記録アプリがあります。
HideLogは、革素材だけでなく、糸、金具、染料といったすべてのサプライを一つの場所で管理できるように設計されています。各資材のユニット単価を入力しておけば、製作プロジェクトに使用した素材をリンクさせるだけで、材料費を自動で合計してくれます。また、作品が完成した際に在庫を自動で差し引く機能もあり、手動で数え直す手間を減らすことができます。
まとめ
レザークラフトにはタンニン鞣しやクローム鞣しといった革自体の違いだけでなく、それに合わせる糸の色や金具の仕上げによって無限の表情が生まれます。それらの組み合わせを「記録」という形で資産化しておくことは、単なる在庫管理を超えて、あなたの製作活動をより確かなものにしてくれます。
自分にとって最も負担の少ない方法で、まずは一つひとつの色番号やサイズから記録を始めてみてください。その積み重ねが、将来の自分を助ける強力なデータベースになるはずです。
この記事の情報源について 公的機関・公式サイト・専門メディア等の情報をもとに、記録・整理の観点から編集部が再構成しています。 数値・仕様・安全性に関わる記述は一次情報を優先して確認しています。
この記事は、記録・整理の観点から情報をまとめたものです。 内容の誤りや古くなった情報にお気づきの場合は、お問い合わせよりご連絡ください。 最終確認:2026年7月

